22 August 2013

You've Got Foetus On Your Breath ‎– Ache [LP/Self Immolation ‎– WOMB OYBL 2 1982 UK]

本名J.G. Thirlwellことオーストラリア・メルボルン出身のJim Foetusの1982年に自身のレーベルSelf Immolationからリリースした"You've Got Foetus On Your Breath"名義の2ndアルバム。アルバム・ジャケットは1stアルバムに続いて、彼のお得意のロシア構成主義的なアートワークを用いて、わずか1500枚限定で発売された。その為、当時は、1stアルバム同様に入手困難で、稀に見かけてもとんでもない高値で売られていた。1997年に米国のレーベルThirst Earから限定4000枚でCDが再発され、一般的に出回る様になった。さて、音の方は、基本的にはジャズ、ファンク、ラウンジ、フリー・ミュージックをミックスし、ジャンク・ノイズなどのインダストリアルなフレーバーを加味した1stアルバム「Deaf」の延長線上で、雑多なジャンルを手当たり次第に放り込むのがFoetusの持ち味だが、アイデアに関して彼は、インタビューで「いかにもショービズ風のビッグ・バンド的なものは、60年代の安っぽいバラエティ番組がヒントになっている。」と語っている。また、前作同様、綿密に練ったアレンジに加え、曲調もポップ度が上がって聴きやすくなっているし、前作に較べレコーディング技術が熟れてきたのか、チープではあるが1stよりは音に力強さが感じられる。前作は実験色が強く、The Pop Groupのインダストリアル版的サウンドであったが、この2ndはよりキッチュでコミカルな部分が強調され、さながらMadnessのインダストリアル版の様で、さらに独特のダミ声で唄うFoetus節も健在である。また、西ドイツのベルリンでのライブを観て、衝撃を受けたというEinstürzende Neubautenの影響か、メタル・ジャンクなパーカッションの使用頻度も増え、次作の傑作アルバム「Hole」に繋がるサウンドも垣間見せている。この時点では、まだ「Hole」で見せた爆発力はには到底及ばないが、この頃すでに彼の独自のサウンドの確立を再確認させられるルーツ的な作品。このアルバムも1stの「Deaf」同様に秀逸なアートワークでコレクターに人気があり、アナログ盤LPは未だに高値安定で入手困難である。


《Track List》
A1.Dying With My Boots On
A2.J. Q. Murder
A3.Gums Bleed
A4.Mark Of The Ostracizor
A5.Exit The Man With 9 Lives
B1.Get Out Of My House
B2.Wholesome Town
B3.Whole Wheat Rolls
B4.Kid Hate Kid
B5.Instead...I Became Anenome


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