20 September 2013

Die Krupps ‎– Volle Kraft Voraus! [LP/WEA ‎– WEA 58 463 1982 GER ]

Die Krupps (ディー・クルップス)は1976年に旧西ドイツの工業都市デュッセルドルフで結成されたパンク・バンドMaleのメンバーだった、Jürgen Engler、Bernward Malakaを中心にMania DのEva Gößling、S.Y.P.H.のRalf Dörperらが加わって1980年に結成されたバンド。バンド名のKruppsはナチス政権下で「鉄鋼王」として、また「死の兵器商人」として世界史にその悪名を轟かせたAlfred Kruppの姓から取られている。バンドは明らかに反ナチスであり、この名称にしたのは第二次世界大戦においてナチスが軍拡を進めるのにKrupp家の役割を強調する為であろう。バンド結成後、同じくデュッセルドルフのバンドD.A.F.の前座を務め、早くも評判になった彼らは、1981年にハンブルグのインディペンデント・レーベルZick ZackからミニLP「Stahlwerksymphonie = 製鉄所交響曲」でデビュー。このアルバムでは片面1曲ずつの14分に渡るメタル・パーカッションを駆使した実験的なインストゥルメンタル・サウンドを展開している。しかし、次のシングル「Wahre Arbeit - Wahrer Lohn」では、作風が一転、D.A.F.を彷彿させるシーケンサーとハンマー・ビート、Jürgen Englerがデビューから使用しているStahlofon(シュターロフォン=鋼鉄製の打楽器)によるメタル・パーカッションを絡めたエレクトロ・パンク・サウンドに変貌していた。そして、1982年にWEAからリリースされた「Volle Kraft Voraus!」は彼らの1stフル・アルバム。このアルバムも基本的にはシングルの延長線上にあるが、同時期のD.A.F.と比べるとややチープというか、音に重量感が不足している感は否めない。メタル・パーカッションにしても同じドイツのEinstürzende Neubauten程の爆発力は無く、アイデアは悪くないだけにプロデューサーがD.A.F.と同じConny Plankが担当してたらもっと良くなったのでは?と思うとすこし残念だ。それでも、当時の機材的に制約があるなかでD.A.F.らと共にエレクトロ・パンク〜エレクトロ・ボディ・ミュージックの原型になった重要な作品だ。尚、Ralf Dörperはこのアルバムを録音後にバンドを脱退して、新グループPropagandaを結成し、成功を収めている。(1989年にDie Krupps復帰)また、この作品は永らく廃盤になってCDでの入手が困難な状況だったが、2008年にデラックス・エディションでオリジナルに加え、シングルをボーナス・トラックとして追加し、さらにオリジナル・アルバムをまるごと最新のリミックスを施した豪華2枚組で再発されている。


《Track List》
A1.Volle Kraft Voraus
A2.Goldfinger
A3.Für Einen Augenblick
A4.Tod Und Teufel
A5.Das Ende Der Träume
B1.Neue Helden
B2.Wahre Arbeit, Wahrer Lohn
B3....Denn Du Lebst Nur Einmal
B4.Zwei Herzen, Ein Rhythmus
B5.Lärm Macht Spass

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