17 July 2013

Deutsch Amerikanische Freundschaft ‎– Kebabträume / Gewalt [7"EP/Mute ‎MUTE 005 1980 UK]

D.A.F.の1980年に英国のMute Recordsからリリースされた1stシングル。このシングルはMuteからの2ndアルバム「Die Kleinen Und Die Bösen」の前に発表された作品で、2ndアルバム録音前には脱退していた初期のメンバー、Michael Kemner(b)もクレジットされており、Gabi Delgado(vo)、Robert Görl(ds)、Wolfgang Spelmans(g)、Chrislo Haas(synth)の5人編成時代に英国のCargo Studiosで録音されている。因にベーシストのMichael Kemnerは後に同じくD.A.F.を脱退するギタリストのWolfgang Spelmansとパンク・バンド"Mau Mau"を結成している。タイトル曲「Kebabträume」はGabi DelgadoがD.A.F.以前に在籍していたパンク・バンド"Mittagspause"時代に書かれた「Militurk」がオリジナルであり、また、D.A.F.の5thアルバム「Für Immer」にも収録されているが、アレンジはまったくの別物である。さて、音の方はこの時期、このメンバーで録った曲だけに基本的には2ndアルバム「Die Kleinen Und Die Bösen」の頃の音である。つまり、Chrislo Haasの作った反復するアシッドなシンセをベースにRobert Görlのハンマー・ビート、Wolfgang Spelmansのフランジャーの掛かったノイジーなギターと、2人組D.A.F.のダンサブルなアレンジとは違い、エレクトロ・パンクなアレンジを聴く事が出来る。ボーカルのGabi Delgadoはこの曲でも2ndアルバム同様に甲高い声で歌っていて、Virginからリリースされる3rd以降での男臭いボーカルが別人の様だ。一方、B.sideの「Gewalt」は2ndアルバムにライブバージョンで収録されていた曲で、今回はそのスタジオバージョン。A.sideの「Kebabträume」とは打って変わって「Gewalt = 暴力」のタイトル通りの吐き出す様なGabi Delgadoのボーカルが印象的。スピーディでタイトなリズムに異様な電子ノイズと荒々しくノイジーなギター・サウンドが炸裂するエレクトロ・パンク・チューンで、初期のD.A.F.はパンク・バンドだと再認識させられる作品でD.A.F.の歴史を知る上でも重要な1枚。尚、このシングルの2曲はMuteから2007年にリリースされたコンピレーションの10枚組CDアルバム「Mute Audio Documents «1978 - 1984»」で聴く事が出来る。


《Track List》
A.Kebabträume
B.Gewalt


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