4 July 2013

New Order ‎– Ceremony [12"EP/Factory FAC 33/12 1981 UK]

New Order (ニュー・オーダー)は1980年の5月に成功を期待されたJoy division (ジョイ・ディヴィジョン)のアメリカ・ツアー出発前日の18日にボーカルでフロントマンであるIan Curtisが自殺するという悲劇が起こり、残されたメンバーのBernard Sumner (vo, g)、Peter Hook (b)、Steven Morris (ds)の3人がJoy Divisionから名称を変えて再スタートしたバンドである。後にSteven Morris のガール・フレンドの Gillian Gilbert (g, key)が正式に加わり4人組となる。この「Ceremony」はNew Orderの1stシングルだが、この曲自体はJoy Division時代に書かれた作品であり、Ian Curtisもクレジットされている。因みにこの曲のオリジナルはJoy Divisionの未発表曲とIan Curtisのバーミンガム大学でのラスト・ライブを収めた編集版アルバム「Still」ではライブ・バージョン、これも編集版でCD4枚組Boxの「Heart And Soul」ではデモ・バージョンを聴くことが出来る。この残された曲をレコーディングするのにIan Curtisが書いたオリジナルの歌詞が残っていなかった為、Bernard Sumnerが録音状態が良くないデモ・バージョンのテープをグラフィック・イコライザーに掛けながら歌詞を起こしたり、ボーカルを誰にするかなど試行錯誤がかなりあったようだ。そして、1980年のキャンセルとなっていた5月のアメリカ・ツアーの代行ライブを9月にNew Orderとして敢行するがその際にニュージャージー州のスタジオでMartin Hannettプロデュースによって「Ceremony」とB面になる「In A Lonely Place」の2曲がシングルとして正式にレコーディングされる。このレコーディングはオリジナルメンバーの3人で行われ、この3人バージョンは1981年1月に7インチ(ブロンズに型押しの文字のジャケット)、3月に12インチ(ダーク・グリーンにゴールドの文字のジャケット)でリリースされ、その後、Gillian Gilberがメンバーに加わった為、「Ceremony」の4人バージョンを10月に彼らの地元マンチェスターで再レコーディングし、この4人バージョンは1981年7月に12インチ(アイボリーとブルーのツートーンのジャケット)で再リリースされている。この曲のサウンド自体はまだJoy Division色が色濃く残っているが、「Love Will Tear Us Apart」に匹敵する名曲でリード・ボーカルをBernard Sumnerが務めて、あまり上手くはないが繊細なボーカルを披露し、ベースのPeter Hookは高音域を強調したベース・プレイで曲をリードし、その後のNew Orderサウンドへ繋がる部分も垣間見せている。尚、この曲は後にNew Orderの1987年リリースのシングル集「Substance」に4人組バージョンが収録され、3人バージョンは2005年の「Singles」に収録されている。どちらのバージョンも甲乙付けがたいが、個人的にはリズムがクリアになり、スッキリ録られた4人バージョンより、ややノイジーでラフな感じに録られた3人バージョンが気に入っている。


《Track List》
A.Ceremony
B.In A Lonely Place



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