7 June 2013

The Cure - Three Imaginary Boys [LP/Fiction FIX-1 1979 UK]

The Cure (ザ・キュアー)は1976年英国サセックス州のクローリーで当時アート・スクールの学生だったRobert Smith (vocals,gaiter)を中心に同級生のMichael Dempsey (bass)、Laurence Tolhurst (drums,key)らで結成されたスリー・ピース・バンドEasy Cureが母体である。Easy Cure時代は比較的オーソドックスなパンク・サウンドを演奏していた。1978年にインディー・レーベルのSmall WonderからThe Cureとして「Killing An Arab」でデビューする。この曲はフランスの小説家Albert Camusの「L'Étranger = 異邦人」をモチーフにしている作品だが当時のジャーナリストの評価は芳しくなかった。その後、彼らはChris Parryの目に留まり、彼がPolydorの傘下に設立したばかりのFiction Recordsと契約する。レーベル第1号アーティストとして翌年の1979年の2月にデビュー・シングルの「Killing An Arab」を再発し、同年5月にリリースされたのが彼らのデビュー・アルバム「Three Imaginary Boys」だ。このアルバムはシングル曲が1曲も入っていないにも関らず全英チャート44位まで上昇した。Post-Punk期の真っ只中にリリースされたこの作品は彼らがダーク・ウェイブに変化する前のPost-Punk的サウンドを聴く事が出来る貴重なデビュー作で、彼らの歴史を知る上で重要な1枚であろう。さて、音の方は、かなりシンプルで隙間の多いチープな感触だが、スカスカのギター・サウンドながらRobert Smith独特の捻くれたアレンジとポップセンスが生み出すクールな空間は彼らならではの個性を早くも発揮している。特にA3.Grinding Haltはアップテンポのリズムにキャッチーなメロディでシングルに匹敵する好ナンバー。その後、彼らは間髪入れずに初期を代表する名曲「Boys Don't Cry」、「Junping Sometone Else's Train」のシングル2枚をリリース。残念ながら、それに前後してオリジナル・メンバーのMichael Dempseyが脱退。新たにSimon Gallup とMatthieu Hartleyが加わって4人組となり、Robert SmithはSiouxsie and the Bansheesのツアーにギタリストとして参加している。尚、このアルバムには上記のシングル曲は収録されていないが、翌年1980年に米国ツアーの際に発表された編集盤は「Three Imaginary Boys」から9曲とシングルの3曲を加え「Boys Don't Cry」として発売されている。


《Track List》
A1.10:15 Saturday Night
A2.Accuracy
A3.Grinding Halt
A4.Another Day
A5.Object
A6.Subway Song
B1.Foxy Lady
B2.Meathook
B3.So What?
B4.Fire In Cairo
B5.It's Not You
B6.Three Imaginary Boys
B7.The Weedy Burton


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