4 June 2013

Soft Cell ‎– Non-Stop Erotic Cabaret [LP/Some Bizzare BZLP 2 1981 UK]


Soft Cell(ソフト・セル)は1978年に英国の地方都市リーズでMark Armond(vocals)、Dave Ball(synthesizers)を中心に結成されたエレクトロ・ポップ・デュオ。1980年代のニューウェイブを代表するグループである。彼らはリーズのアートスクールで出会い、エレクトロ・ミュージック好きで特にSuicideに影響されていたMark Armondとノーザン・ソウルと60年代のポップ・ミュージック好きだったDave Ballの趣味がぶつかり合う事で誕生した。1980年に自身のレーベルA Big Frock Recordからデビューシングル「Mutant Moments」発表する。これはDave Ballの母親から借りた資金で製作され限定2000枚でプレスされたが2000枚というわずかな枚数のリリースの為、ファンの間ではかなりのコレクターズ・アイテムになっている。このシングルがSome BizzareレーベルのStevoの興味を引いた彼らは1981年にStevoが自費でリリースするレーベル初のコンピレーションアルバム「Some Bizzare Album」に「The Girl With A Patent Leather Face」という曲で参加する。このアルバムには、当時無名のDepeche ModeやThe Theなども参加していた。2ndシングル「A Man Can Get Lost/Memorabilia」をMuteのDaniel Millerのプロデュースでクラブヒットを飛ばした後、3rdシングルの「Tainted Love」の大ヒットで彼らは人気を不動のものにする。この曲はGloria Jonesが1964年にリリースしたカヴァーで全英チャート1位、全米チャート8位にまで上昇し、43週もの間チャートインという記録的ヒットとなった。この「Non-Stop Erotic Cabaret」は1981年に発表された1stアルバムでプロデュースはMike Thorneが担当し、レコーディングはニューヨークで行われた。さて、音の方はシンセサイザー担当のDave Ballの作る無機質でエレクトロなバックトラックにMark Armaondの演劇風で癖のあるソウルフルなヴォーカルが絡むという当時には無かったスタイル。このスタイルは後にあのYazooが踏襲することとなる。また、音のポップさとは裏腹に同性愛、ドラッグなどの裏社会の本質を取り入れた退発的な歌詩を用いるなど、同時期に出てきたエレポップ系のアーティストとは一線を画していた。この傑作アルバムは全10曲捨て曲無しだが、個人的にはシングルヒットのA2. Tainted Love、A5.Sex Dwarf、B3.Bedsitter、そして、ラストを飾るバラード曲のB5.Say Hello, Wave Goodbyeがお薦めだ。


《Track List》
A1.Frustration
A2.Tainted Love
A3.Seedy Films
A4.Youth
A5.Sex Dwarf
B1.Entertain Me
B2.Chips On My Shoulder
B3.Bedsitter
B4.Secret Life
B5.Say Hello, Wave Goodbye


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