23 June 2013

The Specials ‎– Specials [LP/Two-Tone Records ‎– CDL TT 5001 1979 UK]

The Specials (ザ・スペシャルズ)は1977年に英国中部の工業都市コヴェントリーで結成された白人と黒人の混成バンドでレゲエ・バンドThe Automaticsがその前身である。オリジナルメンバーはリーダーのJerry Dammers (vo,key)、Sir Horace Gentleman (b)、Lynval Golding (g)の3人で、その後、Terry Hall (vo)、Neville Staple (vo,per)、Roddy Byers (g)、が加わった。1978年夏のThe Clashの"One People Tour"の前座に起用されるが、同名のバンドがレコード会社と契約を結んだことを知った彼らは急遽"The Specials"と改名した。1979年に自らのレーベル"2 tone"を設立するが、名称は白人、黒人の混成バンドに因んで付けられ、白と黒の市松模様がレーベルのトレード・マークになった。1stシングル「Gangstars」のレコーディング前にJohn Bradbury (ds)が加わり、The Specialsは7人編成のバンドになる。1979年7月にリリースされた1stシングル「Gangstars」はRough Tradeの援助を受けて発売されると大ヒットとなって全英チャート6位を記録した。これで注目を浴びた彼らはメジャーのレコード会社の争奪戦の末、2 Toneレーベル全体との契約条件を申し出たCrysalisと配給契約を結ぶ。2 ToneレーベルからはMadness、The Selecter、The Beatなどを輩出するなど、2 Toneスカ・ブームを巻き起こした。当時、音楽の世界ではほとんど断絶していた白人と黒人移民が一緒にバンドを組み、音楽そのものを混血させたのは彼らが元祖である。この「Specials」は1979年10月に発売された彼らのデビューアルバム。プロデュースはElvis Costelloが担当した。元々、結成当初の彼らはパンキー・レゲエなサウンドを目指していていたが、この両者の融合は結果的に上手く行かず、試行錯誤の末に行き着いたのがスカのテンポを上げての融合だった。この目論みは見事に成功し、ジャマイカの60年代スカの細切れビートとパンクのスピーディーで激しいエネルギーで増幅させ、それらを見事に融合させたハイブリッド・サウンドである。もちろん本物のレゲエやスカなどに比べればビートは前のめりで、Terry Hallのボーカルは線の細さを感じさせるが、これが却ってリアルなストリート感覚を表現している。また、プロデューサーのElvis Costelloがあえて手を加えなかったこともあり、バンドの生のエネルギーが余すところなく収められている。このアルバムは後に世界中からフォロワーを生み出すスカ系のバンドの原型となった名盤である。


《Track List》
A1.A Message To You Rudy
A2.Do The Dog
A3.It's Up To You
A4.Nite Klub
A5.Dosn't Make It Alright
A6.Concrete Jongle
A7.Too Hot
B1.Monkey Man
B2.(Dawning Of A) New Era
B3.Blank Expression
B4.Stupid Marriage
B5.Too Mach Too Young
B6.Little Bitch
B7.You're Wondering Now


No comments: