12 August 2008

Cabaret Voltaire - Mix Up [LP/Rough Trade ROUGH4 1979 UK]

Cabaret Voltaire(キャバレー・ヴォルテール)は1973年英国の工業都市シェフィールドでChris Watson、Richerd H.Kirk、Stephen Mallinderの3人で結成された。バンド名は19世紀初頭のダダイストの拠点、スイス・チューリッヒのカフェに由来する。同時期に現れたThrobbing Gristlleと並ぶインダストリアル・ノイズの雄であり、かつ後のテクノ・ミュージックに多大な影響を与えたバンドである。彼らの元々の活動は趣味の一環であるWilliam.S.Burroughsに「カットアップ」のテクニックにインスパイアされたアイデアに従い様々なフィールドワークから採取した音や短波ラジオ、エレクトロニクス・ノイズなどのサウンドコラージュしたホーム・テーピングを作ることからスタートした。そして、そのテープループを車で走らせながら街中で放送したり、テープレコーダーを持ち込んでパブで異様な音を出したり、彼ら曰くイカレタ遊びをしていた。そして彼らは1975年の5月にロックバンドと偽って出演したライブイベントでは、彼らの演奏と蒸気ハンマー音のテープ・ループをパーカッションにしたという異様な音は全く受け入れられず、オーディエンスから力ずくで阻止された。彼らの転機は1976年のパンクムーブメントの到来でようやく彼らの様な実験的音楽も認められるようになる。そして1978年にRough Tradeからリリースされたデビューシングル「Extended Play」でヒットを飛ばした彼らはさらに「Nag,Nag,Nag」などのシングルも好セールスを記録するなどRough Tradeでの位置を不動の物にする。 さて、このアルバムはRough Tradeからリリースされた1979年発表の彼らの1stアルバム。ベース、ギター、エレクトロニクス、リズムマシーン、テープ、ヴォーカルなどを様々なエフェクトを掛けて使用し作られた陰鬱なノイズはサンプリングマシーンなどない当時の機材の制約もあって音自体はシンプルかつ非常に生々しい音になっている。様々なノイズの要素から触発されたサウンドだが非常にリズムを重点においているので緩慢なリズムパターンではあるが、この手の音楽としては取っ付きやすい音だ。

《Track List》
A1.Kirlian Photograph (5:32)
A2.No Escape (3:34)
A3.Fourth Shot (3:57)
A4.Heaven And Hell (5:45)
A5.Eyeless Sight (Recorded Live 79) (3:12)
B1.Photophobia (5:49)
B2.On Every Other Street (4:01)
B3.Expect Nothing (6:05)
B4.Capsules (4:04)

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