Clock DVAは英国の工業都市シェフィールドで1978年に Adi NewtonとSteven "Judd" Turnerで結成されたインダストリアル、ポスト・パンクバンド。バンド名は影響を受けたAnthony Burgessの小説「時計じかけのオレンジ」が由来でDVAとはロシア語で"2"を示し、つまり2時という意味である。リーダーのAdi Newtonは同郷のThe Human Leagueの前身のThe Futuresのメンバーでもあった。当時Cabaret VoltaireやThrobbing Gristreなどとも交流が深く、1980年発表のカセット作品のWhite Souls In Black SuitsはCabaret VoltaireのChris Watsonが参加してWestern Worksスタジオで録音、ミックスされ、T.G主宰のIndustrial Recordsからリリースされた。1981年発表のThirstは彼らの2ndアルバム。このアルバムからメンバーにサックスのCharlie Collins、ギターのPaul Widger、ドラムのRoger Quailが加わった。音の方はインダストリル風な不穏なイントロで幕開けし、途中からリズム隊が加わり、その後は、うねる重低音なベースにフリーキーなサックスやノイジーなギター、Adi Newtonの押し殺すようなヴォーカルが加ってダークで緊張感あふれるファンクサウンドが展開される。フリー・ジャズ風なサックスプレイが圧倒的なSensorium、シングルになったキャッチーなフレーズの4 Hours、シャーマニックな雰囲気の中、ノイジーなギターとサックスが荒れ狂って絡んでくるImpressions Of African Winterと名曲揃いで聴き応え充分のアルバムである。
《Track List》
A1 Uncertain (7:04)
A2 Sensorium (2:38)
A3 White Cell (4:38)
A4 Piano Pain (3:15)
A5 Blue Tone (5:57)
B1 North Loop (4:50)
B2 4 Hours (4:00)
B3 Moments (6:25)
B4 Impressions Of African Winter (5:26)





1980年に西ドイツでEinstürzende Neubauten(アインシュツルツェンデ・ノイバウテン=崩壊する新建築)はリーダーのBlixa Bargeldを中心に結成された。1stアルバム制作当時のメンバーはBlixa Bargeld, N.U.Unruh, F.M.Einheitでそれぞれの姓は「現ナマ」、「不穏」、「単位」の意味であり、もちろん偽名である。結成当初から現在に至るまでNeubautenの象徴となっている一つ目人間は、メキシコのトルテカ文明の遺跡の洞窟に描かれた壁画のものであり、Blixaが1980年に書物からの引用したもである。Neubautenと言えば鋼のスクラップを打ち、圧搾ドリル、電動ノコギリ、コイル等、様々なメタル・ジャンクを操る過激なイメージがあるが、元々はドラム担当のUnruhが金に困ってドラムキットを売ってしまい、仕方なく盗んだ廃品を利用してドラムキットもどきを作って使用したのがきっかけだったようだ。偶然の産物である。この1stアルバムはハンブルグのHafenklangスタジオにて1981年7~8月に録音・ミックスされ、上記のメンバーの3人に加え、後にメンバーとなるMark ChungがBassで参加している。音の方は荒っぽいパンクサウンドをベースにGuiterのフィードバックノイズ、圧搾ドリルでコンクリートを掘削する高周波ノイズなどの様々な電子ノイズにメタルジャンクのパーカッションが絡み、それらの音に独語独特の硬い語感でシャウトするBlixaのヴォーカルも加わりインパクト充分。このアルバムを聴くにつけ、インダストリアル系の音というのはドイツ語の語感と相性がよい気がする。まあ、彼らの場合は音だけでもインパクトは得られるがNeubautenや"ドイツ"のイメージを体現するBlixaのヴィジュアルや彼らのメタルジャンクのパーカッション、電ノコで火花を散らすパフォーマンスは凄まじいだけにLiveなどの映像を先に見てから入るほうが分かり易いかもしれない。SPKと共に80年代を代表するメタル・パーカッションバンドである。



