26 February 2014

Deutsch Amerikanische Freundschaft ‎– Gold Und Liebe [LP/ Virgin ‎– 2218 1981 UK]

1981年にリリースされたD.A.Fの通算4枚目、D.A.F.が分裂後にGabi Delgado (vocal)、Robert Görl (drums)のデュオとなり、MuteからVirgin Records移籍後の第2弾アルバム。プロデュースは前作に引き続きConny Plankが担当している。因にこのアルバムはトリオから邦題「愛と黄金」として国内盤もリリースされており、ジャケットは前作を踏襲した黒を基調としたハードで男臭いイメージのものになっている。さて、本作は基本的には前作同様にConny Plankが作ったと思われるシーケンサーによる幾重にも重ねられた野太い反復シンセベースに、Görl の生ドラムによる筋肉ハンマー・ビート、Gabiのエロティックかつ強迫的ボーカルが被さるという贅肉を極限まで削ったシンプルかつミニマムなサウンドではあるが、曲によっては女性コーラスを取り入れたり、ラテン・パーカッションなども加えるなど前作では見られなかった凝ったアレンジも施されている。A1.Liebe Auf Den Ersten Blick でシンプルで淡々としたダンス・サウンドから幕開けし、スペイン語でタイトルが付けられたA2.El Queでは上記の様に女性コーラスとラテン・パーカッションがフューチャーされたラテン乗りのダンス・サウンドを聴く事が出来る。上記の2曲に加え、A3.Sex Unter Wasser A5.Goldenes Spielzeug もシングルカットされており、AサイドはD.A.F.にしてはポップな曲(かなり捻くれているが)が揃うが、
Bサイドは彼ららしい本領発揮のダークでエレクトロ・パンクなサウンドとドイツ語特有の硬質な感触が異様な緊張感を醸し出している。ナチスの軍隊の行進を思わせるサウンドのB2.Muskel やノイジーなインスト曲のB3.Absolute Körperkontrolle 、そして、彼らの中でも代表的なエレクトロ・パンク・サウンドでGabiの圧倒的なボーカルとGörlのハンマー・ビートが炸裂するB4.Verschwende Deine Jugend はこのアルバムのクライマックスだろう。

《Track List》
A1.Liebe Auf Den Ersten Blick
A2.El Que
A3.Sex Unter Wasser
A4.Was Ziehst Du An Heute Nacht
A5.Goldenes Spielzeug
B1.Ich Will
B2.Muskel
B3.Absolute Körperkontrolle
B4.Verschwende Deine Jugend
B5.Greif Nach Den Sternen


31 January 2014

SPK - Garibaldi's 1979[Audio File/ Unofficial 1979 AUS]

1979年にオーストラリアのシドニーで結成されたインダストリアル・バンド''SPK''の初期のライブ。結成時の詳細は《→This》。1979年バンド結成からバンド解散に至るまで発表する作品の度に''S.P.K.''を頭文字にしたSystem Planning Korporation、Sozialistisches Patienten Kollektiv、Surgical Penis Klinik、Seppukuなどのバンド名を名乗り、目まぐるしいメンバー・チェンジ、まさに変幻自在に作風を変化させてきた彼らだが、このライブでは彼らの原点と言うべきサウンドを聴く事ができる貴重な音源である。SPKの初期のサウンドを結成の中心となったオリジナル・メンバーのGreame Revell (a.k.a. EMS AKS、Operator、Oblibion)とNi/H/iLことNeil Hillは、インタビューで「我々はジャーマン・ロックのNeu!、CAN、Kraftwerkに加え、フランスのエレクトリック・パンクに影響を受けているからね。」と語っている。それはまさにパンクをベースにハーシュなエレクトリック・ノイズを加えたアグレッシブ且つ異型なインダストリアル・パンク・サウンドである。また、彼が言うフランスのエレクトリック・パンクとは恐らくフランスのパンク・バンド''Metal Urbain''の事と思われ、このライブでは、彼らの曲「Panik」をカバーしている。さて、ライブの方は1983年にリリースされた初期シングル集のアルバム「Auto-Da-Fé」に収録されている 曲でお馴染みのラインナップで、演奏時間はオリジナルからは大分短縮されているが、Ni/H/iLの突き抜けたボーカルとライブならではの荒々しくノイジーな演奏を披露している。尚、この音源はUnofficialだが、Vinyl-on-demandレーベルから2008年に正式にリリースされた、SPKの様々のライブ音源をコンパイルした6枚組LP「Dokument III0 1979 - 1983」で聴く事ができる。

《Personnel》
 EMS AKS: syntheseizer
 Ne/H/il: synth, vox
 Danny Rumour: guitar
 David Virgin: bass

《Track List》
1.Slogun
2.Panik
3.Factory
4.Contact


13 December 2013

New Order ‎– Movement [LP/Factory ‎FACT 50 1981 UK]

1980年5月18日にJoy DivisionのボーカルだったIan Curtisの自殺で、Joy Divisionは解散を余儀なくされ、残ったメンバーはバンド名をNew Order (ニュー・オーダー)と改名し、Bernard Sumner (vo,g,key)、Perter Hook (b,per)、Steven Morris (ds,key)のオリジナル・メンバーにSteven MorrisのガールフレンドのGillian Gilbert (g,key)を加えた4人で再スタートを 切る。1980年10月25日には英国マンチェスターで4人編成となったNew Orderの初ギグが行われ、1981年1月26日にはBBCの番組「John Peel’s BBC Radio 1」のスタジオライブに出演。「Truth」、「Senses」、「I.C.B.」、「Dreams Never End」の4曲を披露した。その後、1981年1月に1stシングル「Ceremony」(全英チャート34位)、1981年9月に2ndシングル「Procession」(全英チャート38位)の2枚のシングルをリリース。そして、1981年11月に発表されたのが、この1stアルバム「Movement」(全英チャート30位)である。プロデューサーはJoy Divisionの時と同じくMartin Hannettが担当し、アルバム・ジャケットのデザインも同じくPeter Savilleが担当した。アートワークはイタリアの未来派のアーティストFortunato Deperoによる1932年の博覧会「Futurismo Trentino」向けに作ったポスター作品がモチーフとなっている。さて、音の方はボーカルをPeter Hookが担当したA1. の「Dreams Never End」でJoy Divisionの影を振り払うような軽快なギター・ポップ・サウンド(この曲はNew Orderの中でも上位を争う名曲)を展開してスタートするが、A2.以降はまだIan Curtisの幻影に支配された陰鬱な曲が並び、ボーカルを担当したBarnerd Sumnerもこの時点ではIan Curtisをかなり意識していて、Ian Curtisの自殺からわずか1年足らずとういう事もあり、呪縛から逃れられない彼らの苦悩が伺える内容になっている。彼らの後に核となるエレクトロ・サウンドも、このアルバムの時点では、まだ限定的かつ実験的であり、試行錯誤の段階であったのだろう。それでも、独特な高音域のベースを主体に、リズムボックスやエレクトロ二クスを使用した曲などは、粗削りだが所々に今後の彼らの方向性がわずかながらも伺える。もがきつつも、とにかく前に進もうとする彼らの意思を強く感じさせる作品。後年、Peter Hookもインタビューで「あの時は、とにかく早く作品を出すことが重要だった。」と語っている。まだ、Joy Divisionの影を引き摺ってるサウンドという事もあり、New Orderファンにはあまり評価が高くないアルバムだが、Joy DivisonとNew Orderを繋ぐミッシングリング的役割を果たした重要なアルバム。特に、A1.「Dreams Never End」はNew Orderの中でも上位を争う名曲である。


《Track List》
A1.Dreams Never End
A2.Truth
A3.Senses
A4.Chosen Time
B1.ICB
B2.The Him
B3.Doubts Even Here
B4.Denial



 


29 November 2013

Glaxo Babies ‎– Nine Months To The Disco [LP/Heartbeat Records HB2 1980 UK]

Glaxo Babies (グラクソ・ベイビーズ)は1977年に英国ブリストルで結成されたPost-Punkバンド。地元のアート・スクールに通うDan Catsis (guitar)と地元でジャズ・ミュージシャンをしている父を持つTom Nichols (bass)が中心となり、Rob Chapman (vocal)、Geoff Alsopp  (drums)を誘い入れて結成された。グループ名は世界的な製薬会社のグラクソ製薬から取って付けられた。それは、彼らの歪んだ広告戦略への抗議の意味を含めての事らしい。結成のわずか3週間後には地元ブリストルので最初のライブが行われた。その後も地元でのライブを続ける中で地元のインディペンデント・レーベルHeartbeat Recordsと契約し、1979年1月に4曲入りEP「This Is Your Life」をリリース。このシングルはBBCの人気DJ、John Peelに絶賛されて、グループの名前はインディペンデント・シーン以外でも、広く知れ渡るようになる。 次のシングルの「Christine Keeler」ではファンクやダヴを取り入れたサウンドに傾倒し、その流れでアバンギャルドな要素を深め、同郷のThe Pop Groupとも交流を深めていく。しかし、この流れに違和感を持ったボーカルのRob Chapmanが脱退。入れ替わりにボーカルではなくインストゥルメンタリストのTim Aylettが加入、さらにサックス奏者のTony Wrafterも加えて、ドラムもGeoff AlsoppからCharles Llewelyにメンバー・チェンジした。そして新らたの編成で1980年に発表されたのがこのファースト・アルバム「Nine Months To The Disco」である。メンバーチェンジを経て、ボーカルが居なくなった事もあり、サウンドはさらに、フリージャズ、ファンクをベースにやダヴ、インダストリアル、現代音楽的な要素を取り入れた実験色の強い混沌としたサウンドに変貌しており、The Pop Groupの影響を色濃く伺わせる。A1.「Maximum Sexual Joy」のようなファンク・ナンバーからA2.以降のThe Pop Group風あり、インダストリアルあり、フリー・ジャズ風ありと一言では到底言い表せないサウンドが詰まった大傑作。このアルバムが彼らのオリジナルとしては結局ラスト・アルバムになってしまうがThe Pop Groupよりボーカルが入っていない分、こちらの方がよりその攻撃的サウンドが楽しめるし、個人的にはこちらの方が好みである。


《Track List》
A1.Maximal Sexual Joy
A2.This Is Your Vendetta
A3.Seven Days
A4.Electric Church
A5.Nine Months To The Disco
B1.Promised Land
B2.The Tea Master And The Assassin
B3.Free Dem Cells
B4.Dinosaur Disco Meets The Swampsstomp
B5.Conscience
B6.Slim
B7.Shake (The Foundations)


13 November 2013

The Pop Group ‎– For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? [LP/Rough Trade ‎ROUGH 9 1980 UK]

1stアルバム「Y」でセンセーショナルなデビューを飾った、英国ブリストル出身のPost-Punkグループ、The Pop Groupの1980年にRough Tradeからリリースされた2ndアルバム。これが彼らのオリジナル・アルバムとしてはラスト・アルバムになる。このアルバムの録音前にベーシストのSimon Underwoodは脱退。入れ替わりにGlaxo Babies(グラクソ・ベイビーズ)のメンバーだったDan Katsisが加入する。ジプシーの子供が口づけをしているという衝撃的なレコード・ジャケットはAndre Kertesz が1917年に撮影した物。このアルバムにはアメリカのラップ・グループThe Last Poets(ラスト・ポエッツ)とのコラボレーション曲「One Out Of Many」も含まれている。「For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?= 我々はこの先どれほど大量殺戮を見逃し続けるのか?」と題されたアルバムはそのタイトルが象徴するように、楽曲だけではなく、初回プレスのジャケットには世界各地の大量虐殺の事例やIRAの少年兵士、さらに軍隊の侵している犯罪行為の写真がコラージュされたパンフレットが挿入されるなど、彼らは過激な政治的メッセージを表明していた。さて、音の方は1stアルバムで見られたような、ファンク、ジャズ、レゲエ、ダブ、パンクなどが渾然一体としたサウンドが怒濤のように繰り広げられるが、この2ndアルバムではよりリズム隊が強化され、よりファンキーで明快なサウンドが提示されている。一方、Mark Stewartのボーカルはほとんどアジテーションと呼べるもので、抑えきれない衝動を叩きつけている感じだ。歌詞には国名などの固有名詞が次々と出てきて、政治的で強烈な告発がなされている。だが、この過激な政治的姿勢を取り続けるリーダーのMark Stewartに対して、他のメンバーは嫌気がさし始め、次第にグループ間に軋轢が生じるようになる。それでも、そういう状況下で収録されたこのアルバムは、楽器がぶつかり合う様な異常なテンションの高さで演奏されており、バンド間の緊張関係がそのままサウンドになって表れた、爆発度においては1stを凌駕した傑作。結局、このアルバムがリリースされる頃にはバンドは崩壊しており、解散状態の中でデモやライブを収録した編集盤の「We Are Time」をリリースを最後にバンドは正式に解散する。このテンションの高さ故にバンドは長く続かなかったが、彼らが残した攻撃的で混沌としたサウンドは、現在においても古さを感じないし、彼らが後生のバンドへ与えた影響は決して小さくない。


 《Track List》
A1.Forces Of Oppression
A2.Feed The Hungry
A3.One Out Of Many
A4.Blind Faith
A5.How Much Longer
B1.Justice
B2.There Are No Spectators
B3.Communicate
B4.Rob A Bank


18 October 2013

SepPuKu ‎– Dekompositiones [12"EP/Side Effects ‎SER 03 1983 UK]

S.P.K.の1983年に自身のレーベルSide Effektsからリリースされた3曲入り12インチシングル。プロジェクト名をその作品の都度にS.P.K.の頭文字をから取った名称に変えてきたが、このシングルでもS.P.K.の頭文字をから取った"SepPuKu"(切腹)名義になっている。レコード・ジャケットもプロジェクト名に合わせて、日本の切腹の儀式の画像が使用されている。このシングルは、2ndアルバム「Leichenschrei」をリリース後に、S.P.Kの中心人物のGreame Revellが方針の違いから、もう一人のオリジナルメンバーのNe/H/iLことNeil Hillと袂を分かった後にリリースされた作品で、メンバーも基本的にはGreame Revellと女性ボーカルのSinanの2人のみに変わり、このシングルでは、第3のメンバーとしてLust Mordが参加している。さて、音の方は前作のアルバムでも聴かれたメタル・パーカッションに加え、うねる様なダークなシンセ・ベースに、よりリズムも強化がされ、全編にエスニックでリチュアルなムードを加えた暗黒ダンス・ミュージック・サウンドに変貌している。A.sideの「Another Dark Age」、B1の「Twilight Of The Idols」ではGreame Revellが、B2の「Culturcide」ではSinanがリード・ボーカルを担当している。3曲とも世界の文明崩壊を圧倒的エネルギーで表現した構成力のあるサウンドで同時期のポスト・インダストリアルのアーティストに較べても完成度の高い作品だったが、Greame Revellが期待した程にはセールスには繋がらず、金銭的にかなり痛手を負ったようだ。(当時、日本では「Fool's Mate」誌のインディー・チャート1位になったが・・・。)この事が、次回のシングル「Metal Dance」によるコマーシャル戦略に走らせる要因となる。因にこのシングルは後にCDリリースされたアルバム「Auto-Da-Fé」にボーナストラックとして収録されている。Neil Hillと共に作り上げたノイズ期から袂を分かった後の、過渡的作品で地味な存在だが、その後のディスコ・サウンドへ発展した「Metal Dance」へのミッシング・リンク的作品。個人的には、このGreame Revell主導のS.P.K.のサウンドも非常に好みで、出来ればこの「Dekompositiones」のテイストのアルバムを制作してもらいたかった。


《Track List》
A1.Another Dark Age
B1.Twilight Of The Idols
B2.Culturcide

SPK - Auto-Da-Fé [LP/Walter Ulbricht Schallfolien ‎WULP 002 1983 GER]

SPKの「Auto-Da-Fé 」は1983年に西ドイツのインディー・レーベルWalter Ulbricht Schallfolien からリリースされたコンピレーション・アルバム。A.sideは1979年のバンド初期のオーストラリア活動時代のシングル集で、一方のB.sideは1981年録音のスタジオ未発表曲集である。SPKは度重なるメンバーチェンジ、分裂を繰り返し、また、メンバー名、プロジェクト名の変名など色々と謎が多いバンドだが、このアルバムは結成初期の音源を網羅した貴重な作品である。まず、A.sideの方だが、1979年当時のオリジナル・メンバーNeil Hill (Ni/H/iL)、Greame Revell (EMS AKS)を中心にDanny Rumour、David Virgin、Carmel.E.Klasticの5人で録音された初期のシングルはインダストリアル・ノイズにパンクのアプローチを加えた非常にアグレッシブなサウンドで1st、2ndアルバムで聴けるノイズとは全く作風が違っている。特にA5.SlogunはSPK!!,SPK!!,SPK!!のシュプレヒコールが印象的なアグレッシブでパンキッシュな初期の傑作である。B.sideの3曲は1981年録音という以外は詳しいクレジットが無く、時期的には1stアルバムの頃のはずだが、Greame Revellが作ったと思しきサウンドはノイズとは打って変わって後のディスコ・サウンドを予見させるダークながらもリズミックなシンセ・ポップ・サウンド。それでもポップといってもそこはSPKの事、Greame Revellの押し殺すようなダークで強迫的なボーカル、お得意のメタリック・ビートにヒトラーの演説をコラージュしたり、さらに奇怪なノイズSEも挿入されるなど独自の毒はきっちり盛り込まれている。また、B3.A Heart That Breaksでは、後に正式メンバーとなるSinanと思しきボーカルを聴く事が出来る。このアルバムがリリースされるまでは、初期のシングルなどは当時入手困難(現在もほぼ入手不可)で聴く機会に恵まれていなかっただけに、非常にありがたいアルバムだった。また、このアルバムはパンキッシュでラジカルなサウンドを指向するNeil Hillとノイジーながらも商業的な要素も取り入れたポップ・サウンドを指向する Greame Revellの2人のパーソナリティの対称性が鮮明になった一枚。


《Track List》
A1.Kontakt
A2.Germanik
A3.Mekano
A4.Retard
A5.Slogun
B1.Metall Field
B2.Walking On Dead Steps
B3.A Heart That Breaks In No Time Or Place