Basement 5 (ベースメント・ファイヴ)は1978年英国ロンドンで結成されたレゲエ経由のPost-Punkバンド。メンバー全員黒人だった事とそのサウンドから「黒いP.I.L.」と言われた。彼らはP.I.L.の1978年のクリスマスにレインボーで行われたライブのサポートでデビューする。メンバーチェンジが多かったこのバンドは当初、ボーカルをWinston Fergusが担当し、その後、一時的にクラブ"Roxy"のDJだったDon Lettsに、そして最終的にはP.I.L.のJohn Lydonの友人Dennis Morris が受け継いた。ドラム担当の方は当初、Anthony Thompsonだったがアルバム制作の初日に離脱し、元The 101ers、P.I.L.のRichard Dudanski が新メンバーとして加わる。そして、J.R.ことHumphrey Murray (guitar)、Leo Williams (bass)らが主要メンバーである。メンバーの経歴が凄いのでざっと紹介すると、ボーカルのDennis MorrisはSex PistolsやBob Marleyなどの写真で知られる 著名なロック写真家で、バンドでは作詞も手がけ、ジャケットに使用されたロゴ・デザインも担当した。因みにP.I.L.の2ndアルバム「Metal Box」のフィルム缶に収めるというアイデアも彼の発案だった。元ボーカルのDon LettsもJohn Rydonの友人で彼とP.I.L.のベーシストJah Wobbleにレゲエを紹介した人物である。Richard Dudanskiは後にドラマーとしてThe Raincoatsにも参加していて、さらにLeo Williamsはバンド解散後に先に紹介したDon Lettsと元The CrushのMick Jonesが結成したBig Audio Dynamiteに参加するなど才能溢れる凄いメンツがこのバンドには揃っていた。彼らの曲は当時の英国の若者の高い失業率、労働者階級の貧困によるストライキ、また人種差別などのMargaret Thatcher政権を痛烈に批判する内容が中心であった。「1965 - 1980」と題されたアルバムは彼らのデビュー・アルバムであり唯一のアルバムである。1980年の8月に録音され、プロデューサーにはFactory RecordsのJoy Division、A Certain RatioなどのプロデュースでおなじみのMartin Hannettが担当した。意外な組み合わせではあるが、Martin Hannettお得意のノイジーなドラムサウンドとノイジーなギター、そしてレゲエ特有のダブが融合したPost-Punkの大傑作。警察のサイレンをイメージしたギター・リフでスタートするA1.Riot、シングルになったB1.Last White Christmasはこのアルバムのベスト・トラック。これだけのメンツが揃い、音も素晴らしいのだが、意外にも地下に埋もれた存在になってしまっている所が残念だ。P.I.L.やGang Of Four、Killing JokeなどのPost-Punkが好きな人には是非お薦めの作品。
《Track List》
A1.Riot
A2.No Ball Games
A3.Hard Work
A4.Immigration
B1.Last White Christmas
B2.Heavy Traffic
B3.Union Games
B4.Too Soon
B5.Omega Man
《Track List》
A1.Riot
A2.No Ball Games
A3.Hard Work
A4.Immigration
B1.Last White Christmas
B2.Heavy Traffic
B3.Union Games
B4.Too Soon
B5.Omega Man
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